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スペシャルインタビュー
株式会社プレセナ・ストラテジック・パートナーズ 代表取締役CEO 高田貴久
京都大学法学部卒業後、戦略コンサルティングファーム、アーサー・D・リトルにおいて プロジェクトリーダー・教育担当・採用担当に携わる。
その後、マブチモーター株式会社へ転職。社長付、兼経営企画部付・事業基盤改革推進本部、本部長補佐として、改革を推進。
ボストン・コンサルティング・グループを経て、2006年にプレセナ・ストラテジック・パートナーズを設立。
現在はトヨタ自動車、三菱商事、ソニーなどリーディングカンパニーでの人材育成を手掛けている。
その他にも、グロービス・マネジメント・スクール「クリティカルシンキング」「戦略マーケティング基礎」講師や、、現在(2013/8現在)は早稲田大学エクステンションセンターにて「問題解決」「ファクトベース思考」「企画立案」の講師も務めている。
東洋経済新報社「Think!」、プレジデント社「プレジデント」などへの寄稿も多数。著書に14版増刷のベストセラー「ロジカル・プレゼンテーション」(英治出版)などがある。
これまでのキャリア(ADL、事業会社、BCG)と起業の経緯
『本日はどうぞ宜しくお願い致します。早速ですが、高田様のこれまでのご経歴と、起業された経緯についてお伺い出来ますでしょうか。 』
こちらこそ本日は宜しくお願い致します。私の経歴を語る際、必ず「なんで東大を辞めたんですか」と聞かれるのですが、それは飲み会の席の話題においておくとします(笑)。私自身は新卒でアーサー・D・リトル(以下、ADL)に入社していますが、実は元々コンサル志望ではなく、たまたま知人の勧めで入社したような状況で、コンサルのコの字も知らなかったため、入社当時は右も左もわからずものすごく苦労をしました。
例えばマネジャーに「その説明は全く論理的じゃない」と言われても、論理的とはどういうことなのかわからない。「わかりづらい資料だな」と言われても、どこがどうわかりづらいのかわからない・・・。同じ日本人で日本語を喋っていると思えないぐらい、理解が出来ませんでした。ある程度自分がわかるようになってきてからは、自分と同じように苦労をしている新卒・中途入社のコンサルタントたちの教育を自主的に実施するようになりました。「論理的とはこういうことだよ」「良い資料と悪い資料はここが違うんだよ」など。
『なるほど。そんな頃から"教育"には興味がおありだったんですね。 』
はい、今思えばそうですね。自分が入社した当時、苦労した経験があったので、これぐらいは知っておいた方が良いという「ビジネスパーソンとしての基本」みたいなものはきちんと教えるべきだ、という思いが人一倍強いのかもしれません。
『ADLではどのようなお仕事をされていたんですか?』
ADLには4年ほど在籍している中で15ぐらいプロジェクトを担当しました。インダストリー的には製造業がメインで、自動車、半導体、化学、食品、など色々やりました。イシュー的には、全社戦略、事業戦略、R&D戦略、知的財産戦略など各種戦略ものから、デザインレビューを中心とするモノづくり業務プロセス改革、その他業績評価制度設計や組織風土改革なども担当しました。ちょうどよい規模のファームだったので過度に専門化されておらず、あれこれ担当させてもらえた点や、上の人たちが早い段階から積極的に仕事を任せてくれるファームだったので、2年目頃からプロジェクトリーダーとして仕事をさせてもらえた点などが、その後の自分のキャリアには大きく役立っています。
『その後、マブチモーターに転職をされていますが、これはどういう経緯なのでしょう。』
マブチは元々ADL時代のクライアントで、1年近くコンサルティングを行っていました(マブチモーターに許可を頂いているのでお話しています)。プロジェクトが終わる頃に「高田さん、事業会社で仕事の続きをやりませんか」と声を掛けられたのがきっかけです。
それまで自分は転職するつもりは全くなく、新卒コンサルのままディレクターまで上がるぞと考えていました。しかし、「コンサルを続けるにしてもクライアント側の立場を知っているのは将来役立つかもしれない」「超大手企業よりも、マブチのような中堅規模の優良企業の方が活躍の場があるかもしれない」「創業者がまだ生きている1000億円企業はそんなに多くないので、創業者から何か学ぶ機会が得られるかもしれない」というような理由で、即断即決でその場で転職を決意しました。
『マブチモーターではどのようなお仕事をされていたんですか?』
当時は28歳だったのですが管理職として採用して頂き、「社長付 兼 経営企画部」という役職で会社経営に関する様々な業務を担当させて頂きました。仕事の内容は大きく言えば、創業社長から次の社長へ経営の体制を切り替えていくために「計画経営の実現」というテーマがあり、それに向けて社内の仕組みを整えていく一連の業務です。
具体的には、中期経営計画の策定、目標管理の仕組み構築、製品企画機能・原価企画の機能の整備などです。それ以外にも新事業での他社とのアライアンス推進、海外拠点の業績評価制度の検討、社内の新事業部立ち上げに向けた人の確保、全社の組織体制の検討、社長のIR資料の作成など、会社経営に関わる様々な業務を担当させて頂きました。創業社長体制から次の体制に移行する過渡期であったということもありますが、20代後半の若造にこれだけ色々な仕事を担当させて下さったのは、改めて当時の上司(現在の社長)や、マブチの会社としての懐の深さだと思って本当に感謝しています。
『その後、ボストン・コンサルティング・グループに転職した後に、起業されているんですね。』
ええ、そうです。マブチは元々3年間という約束でプロフェッショナル契約社員という雇用形態だったため、3年間の期限が到来した時に正社員となるか、退職するかを決めなければなりませんでした。マブチに残ることもかなり真剣に悩んだのですが、当時の上司と話し合った結果、まだ人生でやりたいことがあるならば一度外に出ても良いのではないかとの助言を頂き、外に出ることにしました。その際、たまたま新卒採用の時にジョブに参加していたご縁があった関係でボストン・コンサルティング・グループと接点があり転職することとなりました。
ボストン・コンサルティング・グループでの仕事は非常にやり甲斐もあり、もう少し長く働こうかという気もしたのですが、その時ちょうど結婚したタイミングでもありまして、もし人生で起業するとしたら今が最初で最後のチャンスかもしれないと感じたこともあって、思い切って起業しました。やはり子供が出来てしまうと色々と守るものも多くなりますから、思い切ったことが出来なくなると感じたためです。起業したのは31歳の時ですが、今にして思えば良いタイミングだったかなと思ったりしています。
プレセナ・ストラテジック・パートナーズとはどんな会社なのか
『ありがとうございます。それでは、高田様が起業された「プレセナ・ストラテジック・パートナーズ」とはどういう会社かご説明頂けますでしょうか。 』
プレセナという会社は説明が難しいのですが「人材育成ファーム」ととらえて頂くのが最も近いかと思います。「ビジネススキルの体系化と普及」を目指して2006年に設立した企業なのですが、現在は約30名ほどの社員を擁しており、100社以上のクライアント企業において人材育成を行っています。
元コンサルのメンバーが中心となっておりますので、主に「思考系」「MBA系」と言われる領域を中心に事業展開しておりまして、科目で言えば経営戦略、問題解決、リーダーシップ、ファシリテーション、ロジカルシンキング、プレゼンテーション、など「コンサル」で必要とされるビジネススキルを一式提供しています。
階層で言えば下は新人から上は役員クラスまで手掛けていますが、多いのは「次世代リーダー」と呼ばれる30代半ばの選抜層で、まさに今後の企業経営を担う層に対してコンサル的な知識スキルを付与するといった研修がメインの領域となっています。
『なるほど。しかし御社Webサイトを拝見しましたが、クライアントが一流企業ばかりですね。具体的にどんな仕事をしているんですか?』
ありがとうございます。自分で言うのも何なのですが(笑)、お陰様でクライアントには恵まれておりまして、トヨタ自動車、三菱商事、ソニー、リクルート、NTTドコモなど日本を代表する大手企業と継続的にお取引をさせて頂いています。
例えば三菱商事は創業した2006年からずっと取引をさせて頂いていますが、新人研修やグループ向けの幹部育成研修、三菱商事本体およびグループ会社向けの社内大学での講義、三菱商事の事業部向けの研修や、グループ個社向けの研修など、かなり幅広く担当をさせて頂いています。
トヨタ自動車は2007年からのお付き合いですが、トヨタ自動車のアドバイザー(社内講師)が教えるための教育コンテンツを作成したり、またアドバイザーに講師スキルを教えたりしています。科目としてはトヨタの「8ステップ」と呼ばれる問題解決手法や、後輩指導・リーダーシップなど様々です。
ソニーは2009年からのお付き合いとなりますが、本体の幅広い階層に課題設定や問題解決の研修を展開しており、またグループ各社に対しても同様の階層別研修を実施しています。
それ以外にもグリーやDeNAなどの成長企業、ウォルト・ディズニー・ジャパンやキャセイパシフィック航空といった外資系企業、イオンやサークルKサンクスといった流通大手から、金融、製造、製薬、通信、SIerなど取引企業はほんとうに千差万別です。
プレセナ・ストラテジック・パートナーズの戦略と優位性について
『人材育成を手掛ける会社は多数あると思いますが、その中で短期間にこれだけの優位性を築かれたのはどういう所に工夫があるのでしょうか。』
最初は偶然の産物、その後は戦略勝ち、ということだと思っています。創業当初は実績も何もない中で完全にゼロからのスタートでしたので、偶然の産物で何とか立ち上がりました。たまたま「ロジカル・プレゼンテーション」という著書があり売れていたということ、たまたま三菱商事で講義をした実績があったこと、たまたまトヨタ自動車からコンペ参加の声がかかり仕事が取れたこと、などが創業期の大きな偶然の産物です。
そこから先の実績は、我々が他社と異なる戦略を取っており、それが競争優位につながっているからだと考えています。細かく語り出すとキリがないのですが、ポイントは大きくは3点ありまして、1つ目は「マス・カスタマイゼーション」、2つ目は「徹底した体系化」、最後3つ目は「講師内製化と兼業化」です。
『興味深いですね。それぞれ具体的にどのような戦略なのでしょう?』
1つ目のマス・カスタマイゼーションですが、我々は「モジュール」と呼ばれる2時間程度の教材部品を現時点で600種類以上保有しており、お客様にあわせてそれらを組み替えて提供するという方式を取っています。現在はボタン1つで10秒もあればカスタマイズした教材が出来てしまうほどシステム化も進んでいます。結局のところ、一流企業になればなるほど「ありもの」ではもの足りずにあれやこれやとカスタマイズを要求されるのですが、完全にゼロから作ったのではコストがあわない。そこを両立する仕組みが構築されているため、一流企業ほどプレセナを使いたがるという構造になっています。
2つ目についてですが、我々が提供する教材は体系化されているため、クライアントも、その体系のわかりやすさや、繋がりの重要性を理解するようになります。そうすると「上の階層がプレセナの研修をしているので、下の階層も」「本社がプレセナの研修をしているので、グループ会社も」というように、どこかで取引が始まると水平展開する上、ロックインされて他社にリプレイスされにくいという特徴があります。
最後3点目ですが、講師内製化は様々な競争優位の源泉なのですが、最もわかりやすい例を挙げるとPDCAが回り改善が進むということでしょうか。この業界では外部講師の活用が一般的なのですが、やはり外部の講師だとコミュニケーションに限界があるため、営業の問題意識が正しく講師に伝わらなかったり、逆に講師が登壇して感じた会社の課題が営業に正しく伝わらなかったりするなど、中身のクオリティが向上しづらい時があります。我々は外の講師は一切使わず、プロフェッショナル職は講師と開発と営業を全て兼業しておりますので、お客様の問題意識がしっかりと教材に反映され、それが講義で受講者に伝わり、また教えて見えた様々な課題が次の営業に反映させる、という人材育成のPDCAがしっかりと回る点が強みに繋がっていると考えています。
『なるほど、そういうことですか。率直な感想ですが、思ったより仕組み化されているんですね。もっと個人事業主の集まりのような会社かと思っていました。』
よく言われます(笑)。気付けばもう30人ほどいる会社ですので、かなり仕組み化されており企業としての競争優位性が発揮出来ている状態だと思っています。
最初は苦労した点も多かったですが、今は弊社のブランドや実績、教材、講師陣などを企業として評価してお取引を頂いておりますので、新しく入った社員もすぐに営業・開発・講師など幅広い方面で活躍出来るようになっています。
『コンサルティングファームなんかとも競合したりするんですか?』
コンサルティングファームとは競合しないですね。もっといえば、研修会社ともあまり競合していません。プレセナの特色を理解して活用して下さるクライアント企業は、実際ほぼコンペなしの指名買いなんです。
コンサルティングファームはブランド維持のための固定費も高いですし、貼り付いて一品ものの成果物を作る人件費もかかりますから、価格が違いすぎて競争にならない。一方で研修会社だと確立されたパッケージを売るだけの会社が多かったりするので、そちらともあまり競争にならない。
実績のある教材モジュールを組み合わせて早く安く教材を作る。一方で無いものは完全にゼロからスクラッチ開発も出来る。営業段階で元コンサルの講師が来て相談にのってくれる。話した内容はすべて教材に反映され講義にも反映される。そして元コンサルの講師が受講者の特徴や課題の内容を見て感じた経営課題や人事課題をお客様にフィードバックし、また次年度以降の計画を立てる・・・。こういう動き方をしている企業が他にはないらしく、クライアントには「ユニークな会社だね」と、よくお褒めの言葉を頂いております。値段もリーズナブルですし品質も安定していますから、一度取引が始まると特段切り替える理由もないようで、有り難い話ですが、どこともあまり競合していないというのが実情です。
元コンサルタントが集まるプレセナの魅力
『ところで、御社の社員にはどういう経歴の方がいらっしゃるのですか?』
現在、弊社には約30名おりますが、うち半分が「営業・開発・講師」を全て手掛けるプロフェッショナル職という職種で、残る半分が営業職という営業アシスタント、事務職という社内業務を運営するスタッフとなっています。
プロフェッショナル職の大半は元コンサルです。私自身は戦略系のアーサー・D・リトルとボストン・コンサルティング・グループに在籍していましたが、それ以外のファームで言えば、戦略系ですとマッキンゼー、コーポレートディレクション、会計・総合系ではアクセンチュア、IBM(IBMビジネスコンサルティングサービス)、アビームM&Aコンサルティング、デロイトトーマツコンサルティング、人事系ではマーサーなど、幅広いファームの出身者が在籍しています。
『ほぼ一通りいる、は言い過ぎかもしれませんが、幅広いファーム出身の方がいらっしゃいますね(笑)。元コンサルの方がそんなに集まってくるのには何か理由があるのでしょうか。』
あると思います。ひと言で言えば「直接的な手応えが欲しい」ということではないでしょうか。コンサルという仕事はファームやプロジェクトにもよると思いますが、基本的には「こちらで考えた内容をプレゼンテーションし、理解して動いてもらう」というスタイルかと思います。クライアントは部長級以上、役員クラスから社長などが一般的でしょう。
しかしコンサルの仕事を続ける中で時折感じる疑問、それは「結局どんな絵を描いても、やるのは現場のクライアントの社員なんだよな」ということです。人が作った計画を実行するよりは、自分で悩んで考えた計画を実行する方が身が入る。100点の高尚な計画を立てた所で理解されなくて3割しか実行されないよりは、60点の計画でも10割実行された方が企業としては良くなっていく。そういう思いが強くなってくると、「自分があれこれ考えてコンサルする」のではなく、「コンサル的なものの見方や考え方を教えて、現場の人たちに自分で考えて行動してもらう」というやり方に興味が出てきます。
うちに来る元コンサルの人はみんな「コンサルも好きだし重要だと思うけど、自分はコンサルはもういいや」と言っています(笑)。現場の社員個々人と向き合いたいという気持ちになった時に、コンサルではなく人材育成にシフトするのではないでしょうか。
『またコンサルをやりたいな、なんて思うことはありませんか?』
うーん、どうでしょうね・・・。実は我々はコンサルをしていない訳ではないんですよ。変な言い方ですが、コンサルティングという形でフィーはもらっていませんが、訪問するたびにあれやこれやとコンサルしているようなものです。
例えば研修といっても「中期経営計画を作る研修」みたいなのもありますが、こういうのは、ほとんどやっていることはコンサルです。建て付けはあくまでも研修なので、考えてアウトプットを出す責任は受講者である部長さんたちにあるのですが、講師として入っていても受講者の皆さんの集めた情報や分析結果を見て、一緒に頭を悩ませながら、研修で教えた教材の考え方などもうまく活用した上で「本当にその会社はどうしていくべきなのか」を共に考えていきます。
また、真面目に人材を育成しようとすれば、結局はその会社の戦略や業務などと切り離して考えることは出来ません。会社が今後どちらに向かうのか、その中でどのような人材が必要となってくるのか、だからどのような人材を育成するのか。我々は常にこの視点を持ちながらクライアントと話をしていますので、フィーはもらっていませんが営業で研修を企画している時などは「コンサルしている」と思いながらやっていますね。
今後のプレセナ、そして同社の求める人材像
『御社の今後の抱負について教えて下さい。』
プレセナには3つの「いつかは」があります。1つ目は「いつかはグローバル」、2つ目は「いつかはB to C」、そして3つ目は「いつかはアカデミック」です。
まず1つ目についてですが、我々の立ち位置はあくまでも経営目線であり「経営に資する人材育成」を行うことを第一義としているのですが、日本企業を取り巻く環境がどんどんグローバル化する中で最近人材育成においても「グローバル」は避けて通れなくなってきています。
「勘と経験で何とかするのではなく、わかるようにきちんと説明する」という目的でコンサルティングスキルを中心に「ビジネススキルの体系化と普及」を手掛けてきた当社なのですが、ここへ来て「グローバルスキルとは何ぞや」を形にしていかねばならないと感じるようになりました。「君はロジカルな考え方が出来ていない」と言われて「ロジカルな考え方って何ですか?」というのと同じで、「君はグローバルな考え方が出来ていない」と言われると「グローバルな考え方って何ですか?」と聞きたくなりますよね。昨年から英語登壇などで外国人受講者を教えるようにもなってきていますが、今後はこれら「グローバルスキルとは何ぞや」というのをきちんと形にしなければならないと考えています。
2つ目の「いつかはB to C」ですが、これはスクールビジネスやeラーニングなどのイメージです。今は企業の社内集合研修を中心に事業を展開していますが、やる気のある個人を集めたスクールやeラーニング講座の展開などもいずれは実現したいと考えています。
3つ目の「いつかはアカデミック」ですが、これは学校教育にもロジカルシンキングや問題解決、リーダーシップなどを入れ込んでいきたいという思いです。我々が多くの企業で手掛けている講義内容は、別に中高生や大学生が学んでも十分使える内容、というよりもむしろ早い内に学んでおかなければならない内容だと思っています。ただアカデミックはやはりお金になりにくいので、もう少し経って会社に投資余力が出てきてから、ボランティアのつもりで徐々にやっていくつもりです。
『そんな御社が求めている人材とは、どんな人でしょうか?』
求めている人材は我々の会社のミッションである「ビジネススキルの体系化と普及」に興味を持って下さる方、自分自身がビジネスで色々な苦労と経験をされてきた方、そして人材育成という気の長い商売に付き合って下さる方かなと思います。
まず大事なのは「ビジネススキルの体系化と普及」に興味があるかどうかでしょうね。ここは人によってかなり意見が分かれる所で、コンサル出身者の中でも「ものの考え方や仕事の進め方は標準化・体系化出来ない」というスタンスに立つ人もいます。それが標準化・体系化出来ないからこそ、コンサルタントに依頼する価値があるのだという考え方です。確かにそれも一理ありますが、プレセナが求めるのは「そうは言ってもある程度は必ず、考え方や仕事の進め方は標準化・体系化出来るはずだ」と思うようなタイプです。アカデミックとビジネスの中間ぐらいの立ち位置で、アカデミックほど学問的な裏付けや理屈は追求しないのですが、ビジネスほど結果オーライをよしとせず、その中間で普遍的なものの考え方や仕事の進め方を探すのが好きという人が向いていると思います。
自分がビジネスで苦労していることも大切です。我々の会社は「日本中の・世界中のビジネスパーソンは、こういう考え方や行動が出来るべきだ」という世界観を世の中に問い続けています。我々が提供する研修講座はどこかで流行っている科目を拝借したような薄っぺらなものではなく、あくまでも自分たちの実体験をベースに「絶対にこれはビジネスで必要だ」「これがないとビジネスで苦労する」という信念に基づいて作られています。心の底からクライアントや受講者に対して「ビジネスにおいてはこれが必要だ」と言うためには、自分がビジネスで色々と苦労し経験をしていることが大切です。
最後に、気長に取り組む姿勢もとても重要です。人材育成はまさに長距離走で、すぐに成果が見えるものではありません。だからこそ我々の会社は終身雇用を標榜しており、ビジネススキルの体系化と普及に「ライフワークとして取り組む」ことを前提に、全員が長い視点でクライアントとお付き合いをしています。短期的なステップアップではなく、このテーマに一生掛けて取り組んでやるぞ、ぐらいの心持ちの人が望ましいですね。
『では最後に、未来の仲間に向かってひと言お願いします。』
ご参考までに・・・プレセナに転職してくる人は、事業会社経験の有無を問わず、コンサルタントとして数年働いて「短距離走ではなく、長距離走が良い」「絵を描くのも大事だけど、理解させるのも大事」「現場が変わらないと、結局何も変わらないのでは」「仕事も大事だけど家庭も大切にしたい」・・・などと感じ始めている20代後半〜30代後半の方が多いです。「自分はそれに該当するかも?」という方はぜひご連絡下さい(笑)
今日はかなり長いお時間を頂いてプレセナという会社について説明をしてきたのですが、まだうちの理念、戦略、ビジネスモデル、競争優位の源泉、など3割も説明出来ていないと感じています。僕たちは全く拡大志向ではなく売上の数字は追求していませんが、クライアント企業からの増え続けるご要望に対応出来ない状況が続いており、同じ志で仲間になって下さる方を継続的に募集しています。僕たちは今後もブレることなく、ライフワークを通じて「ビジネススキルの体系化と普及」をやっていきます。「なんか変わった会社だなぁ、でも面白そうだなぁ」と思ったら、ぜひムービンさんにお伝え頂き、プレセナの門戸を叩いてみて下さい。長い人生ですから「今」転職を想定していなくても全く構いません。一度お話をした上で、いずれ人生のフェーズが変わったタイミングで仲間になって頂ければと考えています。
プレセナに転職して前職より給料が下がった人はいませんし、前職より労働時間が伸びた人もいませんので、ぜひ「最後の仕事」のつもりでライフワークとしてビジネススキルの体系化と普及という大命題に取り組んでいきましょう。皆さんと色々とお話が出来ることを楽しみにしています!
『これだけ話して、まだ3割にも満たないんですね(笑)。ずいぶんとユニークな会社だということだけはよくわかりました。今日は長時間、ありがとうございました!』
こちらこそ長い時間ありがとうございました。また今後ともよろしくお願いします!
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株式会社プレセナ・ストラテジック・パートナーズ 代表取締役CEO 高田貴久
'10年 4月
慶応義塾大学 SFC研究所上席所員 高橋 俊介
'10年 3月
株式会社リアルコム 代表取締役社長 CEO 谷本 肇
'09年 12月
株式会社ワタミファーム 取締役副社長 木村敏晴
'09年 10月
株式会社レノバ(旧:株式会社リサイクルワン) 代表取締役 木南 陽介
'09年 8月
株式会社ディー・エヌ・エー 執行役員 ヒューマンリソース本部長 小林 賢治
'09年 7月
イーソリューションズ株式会社 特別顧問 安藤 佳則
'09年 6月
株式会社シーエー・モバイル 執行役員 人事グループ担当 木村健人